News Release

ニュースリリース

分析アプリケーション事例

2023.10.30更新

JFICが開発した分析アプリケーション事例をご紹介いたします。

<新着>アプリケーション例
スクラロース-6-アセテート及び合成甘味料6種の一斉分析

【要旨】

 合成甘味料は、その名のとおり、化学合成によって作られた甘味料(食品添加物)であり、「人工甘味料」とも呼ばれています。
天然甘味料である砂糖と比較して数百倍もの甘味があり、少量で砂糖の代替となることから、飴・キャンディ、清涼飲料水、氷菓を中心にさまざまな食品に用いられています。
日本で使用が認められている合成甘味料はアスパルテーム、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、アドバンテーム、サッカリン、スクラロース、ネオテームの6種類です。
市販のスクラロースには製造時の中間体であるスクラロース-6-アセテートが含まれているとの報告(※1)があることから、スクラロース-6-アセテート及び合成甘味料6種の一斉分析法を開発しました。
スクラロース以外の合成甘味料についても、原料、中間体、副生成物、分解生成物などが混入している可能性があることから、高分解能質量分析計によりスクリーニング分析を行っています。

※1 Susan S. S, et al., J. Toxicol. Environ. Health Part B , 26, 6, 307–341(2023)

(キーワード:artificial sweetener, aspartame, acesulfame potassium, advantame, saccharin, neotame, sucralose-6-acetate)

 

 

アプリケーション例3)

生鮮野菜中のβ-ニコチンアミドモノヌクレオチド及び周辺代謝物分析

【要旨】

生鮮野菜中の以下の化合物の含有量を調査した。

・ニコチンアミドモノヌクレオチド(β-NMN、NMN)
・ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)
・ニコチンアミドリボシド(NR)
・ニコチンアミド(NAM)
・ニコチン酸(NA)
・トリプトファン(TRP)

5種類の野菜を分析した結果、NMNが最も多く含まれているのはトマトであった。
また、アボカドやブロッコリーにはNRが多く含まれていることがわかった。
今後は、保存や調理等によって、含有量がどのように変化するか調査したい。

(キーワード:食品、NMN、代謝物、定量分析)

 

 

アプリケーション例2)

LC-HRMS及びIC-HRMSを用いた日本酒の化学成分分析

【要旨】

日本酒17種類を様々な前処理を行うことで、味やにおいに起因する成分が変化するかどうか調査した。

代謝物標準品を用いたターゲット分析では、グリセロール3リン酸等のリン酸エステルや、プロリンやシチジン等、アミノ酸やグアニン等の検出を確認したが、いずれも前処理の前後で変化する成分はなかった。
ノンターゲット分析も試みたが、前処理の前後で変化する成分はなかった。

日本酒中に含まれている可能性があるにおい成分について、抽出イオンクロマトグラムより調査したところ、カプロン酸エチルと
推定された化合物のみ、ボルテックス撹拌及び振とうすることで減少することが認められた。
今回得られたデータの解析をさらに進め、各日本酒中の特徴を多変量解析により明らかにしていきたい。

(キーワード:日本酒、味、におい、代謝物、ノンターゲット分析、多変量解析)

 

 

アプリケーション例1)

LC-MSを用いた葉物野菜中の主要な代謝物のスクリーニング

【要旨】

葉物野菜中に含まれる主要な代謝物をスクリーニング試験し、葉物野菜中に多く含まれる化合物について化合物推定を行った。

その結果、ほうれん草ではベタイン、小松菜及びキャベツではグルタミンが多く含まれることが推定された。

本手法を用いることで、様々な野菜中に多く含まれる成分について探索し、その成分の同定ができることが示唆されたため、機能性成分の探索等に応用できるか検討していきたい。

(キーワード:野菜、スクリーニング試験、化合物推定、同定、機能性成分)

 

 

 

 

 

その他の活用事例

上記タイトルをクリックすると活用事例を掲載したPDFファイルが開きます。

 

 

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一般財団法人 日本食品検査 事業本部 試験部門 TEL.03-6436-8772